マキタ リチウムイオンバッテリー bl1860b

さてさて、このマキタ互換USB PDアダプタは実際に使ってみると便利な製品です。

UP180Dは、マキタ18Vバッテリーに対応する充電式せん定ハサミです。

このマキタ互換アダプタは従来のUSB Type-Aコネクタも備えているのですが、Type-Aコネクタはあまり使わない方が良いかもしれません。

製品仕様的には昨年発売したUP100Dをベースに18V仕様に上手くまとめられている印象があり、果樹園や園芸用途などで新しい需要を開拓するには十分な製品と予想しています。最近は40Vmaxシリーズに移行しつつある園芸機器環境ですが、18Vシリーズも十分園芸に強いシリーズなので、マキタOPEの新販路拡販の一翼を担う製品になってくれるでしょう。

USB PD PPSとは、USB充電器側が電圧や電流を機器に応じて出力を制御する方式です。高い効率で最適な給電を実現でき、国内ブランドのモバイルバッテリーでも搭載が進み始めたばかりの機能なので、もしかしたらこのマキタ互換アダプタは下手なモバイルバッテリーよりも高性能なのかもしれません。

このUSBアダプタ最大の利点と言えるのが、普通のType-Aコネクタの5V USB充電器でもマキタバッテリーを充電できる点です。

製品そのものとしては、マキタ18Vバッテリーの保護仕様とUSB Type-C端子に限って使うのであれば、比較的安全に使える製品なのではないかなと思います。とは言え、充電動作に関しては純正充電器と制御が異なるので、純正バッテリー以外の接続は止めた方が良いでしょう。セルアンバランスの遮断が無い互換バッテリーだと、使ってるうちにバランスが崩れて火を噴くことになります。

このマキタ互換USB PDアダプタは、USB PD PPSを搭載しているようです。

10時間近い充電時間は必要ですが、1日に1充電分だけマキタクリーナーを充電するような使い方なら十分対応できますし、ライトやラジオなどの災害用途の緊急用バッテリーとして常に充電器を接続しておくのも良いでしょう。

長々と語ってしまいましたが、結局のところ、市場1発目のマキタUSB PDアダプタはやはりマキタ公式の製品として広めてほしかった、と思う筆者の複雑な心境です。

とは言え、世界の電動工具市場の立ち位置を考えると、マキタの製品開発は保守的で他社の後塵を拝す傾向が強い企業であるため、SBDやTTIに見られるような先見性を期待してしまう事自体が誤りなのかもしれません。この辺りは、マキタがSBDに追いつけなかったり、TTIに追い越されたりした要因の1つだと思っています。

またモバイルバッテリーからマキタバッテリーに再充電もできるので、どうしてもマキタバッテリーを使いたいけどAC100V電源がない、なんて場合でも活躍できます。

正直なところ、USB PDアダプタの利便性を考えるなら、マキタが純正製品として2~3年前の時点で出すべき製品だったと思っています。

色々と思うところのある製品ですが、この製品はクラウドファンディングの単発企画で終わるにはあまりにも惜しい製品だと思っています。ホームセンターや工具取扱店で売ればUSB PDの普及が進むにつれてジワ売れしたでしょうし、家電量販店に陳列棚を設けることができれば、マキタバッテリーの販路拡大に大いに貢献できた製品にも成り得たとも思っています。